災害時の糖尿病管理|東京都小金井市の武蔵小金井みどりクリニック|内科・糖尿病内科・甲状腺疾患・生活習慣病・高血圧症・脂質異常症・内分泌疾患・予防接種

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災害時の糖尿病管理

災害時の糖尿病管理|東京都小金井市の武蔵小金井みどりクリニック|内科・糖尿病内科・甲状腺疾患・生活習慣病・高血圧症・脂質異常症・内分泌疾患・予防接種

災害時の糖尿病管理

はじめに

9月1日は「防災の日」です。日本では地震や台風などの災害がいつ起こるかわかりません。災害時には、普段どおりの生活ができなくなり、糖尿病の管理も難しくなることがあります。だからこそ、日ごろから準備をしておくことがとても大切になります。ブログをきっかけに少しでも準備をしていただく災害への心構えを身につけていただけると嬉しいです。今回は大きく「1. 災害への備え」「2. 災害に遭ってしまったら」の2つについて見ていきましょう。

1. 災害への備えについて

キーワード

  •  メディカルポーチ
  •  シックデイルール

メディカルポーチを準備しましょう

メディカルポーチとは、糖尿病の治療中の方が災害時や外出先で必要な薬や道具をまとめておくものです。持ち出しやすいポーチに、糖尿病の管理に必要なものをまとめておきましょう。1週間分程度は用意しておくようにしてください。処方内容とかかりつけ医がわかるようにお薬手帳または処方箋の写しを必ず一緒に入れておきましょう。

リスト

  • 処方薬(経口薬、インスリンなどを1週間分)
  • 低血糖のためのブドウ糖(5回分程度)
  • 糖尿病連携手帳
  • お薬手帳(または処方箋の写し)
  • 保険証(マイナンバーカード)
  • 自己注射セット(1週間分):注射針、アルコール綿、注射器
  • 血糖自己測定セット(1週間分):血糖測定器、チップ、針
  • 予備の電池(忘れがちです!)

シックデイルールを理解する

糖尿病の方が、感染症にかかり、熱が出る・下痢をする・吐く、また食欲不振によって、食事ができないときのことを「シックデイ」と言います。シックデイの時の対応の基本を「シックデイルール」といい、内服している・注射しているお薬によって対応が異なります。具体的な対応についてはあらかじめ主治医の先生と相談し、必ず決めておくようにしましょう。災害時にはさまざまな理由によって食事が取れなくなってしまうことが想定されます。こういった際には特別な対応ではなく、普段通りのシックデイルールに従います。日頃からシックデイルールをキチンと把握しておくようにしましょう。

2. 災害に遭ってしまったら

ポイント

  • メディカルポーチは肌身離さず忘れない
  • 治療は中断しない

メディカルポーチは持ってきたけど、入れたと思っていた針が足りないアルコール綿が乾いてしまった、など災害時には想定外のことが起きてしまうものです。普段とは異なる状況ですので、まずは「薬剤投与が最優先!」と覚えてください。

例えばインスリン注射の場合、

  • アルコール綿がない → 消毒なしでの穿刺で問題ありません
  • 針の在庫がない → 一度使った針をもう一度使いましょう(ただし2つのポイントに注意してください。①針の詰まりがないかを必ず確認する②自分が使った針かどうかを確認し他人の針は使わない

また、災害時には食事のリズムや運動量が変わり、血糖が乱れやすくなります。最も重要な点として「治療は中断しない!」ことが挙げられます。できる範囲で血糖測定を続け、空腹時血糖は150−200を目標にし、食事が取れない時にはあらかじめ決めていたシックデイルールに従いましょう

個人的にお伝えしたいこと

キーワード

  • エコノミークラス症候群
  • 災害用伝言ダイヤル(171)

エコノミークラス症候群の予防

絶対に知って頂きたい大切な点はこれまでに書いたことになりますが、糖尿病患者様は様々なリスクを抱えており、お伝えしたいことが沢山あります。その中でもあと一つだけ挙げると、エコノミークラス症候群についてです。病気の名前は一般的になりつつありますが、なぜこれをお伝えしたいのかと言うと、命に関わる危険な病気だからです。病気の詳細については割愛しますが、「3分体を動かすことで命を守ることができる病気」です。避難所では長時間同じ姿勢でいる十分に足を伸ばすことができない環境寒さや、水分が十分に摂れないなどのリスクが重なることから、「時々立ち上がったり、軽い運動やストレッチをする」「水分補給をこまめにする」など小さなことの積み重ねで予防することができます。避難所にいる周りの方に声をかけ、皆さんで予防していただけると幸いです。

災害用伝言ダイヤル(171)

最後に、災害用伝言ダイヤル(171)についてです。N T T東日本、西日本ともに提供している無料のサービスで、電話でもインターネットでもどちらでも利用することができます。利用方法はとても簡単で、以下の日程で実際に体験利用することができます。ご家族全員でぜひお試しください。詳細についてはN T Tのホームページ(リンクはこちら:NTT東日本NTT西日本)をご覧ください。

災害用伝言ダイヤル(171)体験利用提供日

  • ●毎月1日、15 00:0024:00
  • ●正月三が日(1100:001324:00
  • ●防災週間(8309:009517:00
  • ●防災とボランティア週間(1159:0012117:00

 

まとめ

【災害への備え】

  • メディカルポーチに1週間分の薬を入れておく
  • シックデイルールを主治医の先生と確認しておく

【災害に遭ってしまったら】

  • 治療は中断しない
  • 物品が足りなくても薬剤投与を最優先

日常生活とはかけ離れた状況に置かれてしまう災害現場・避難所生活。規則正しいバランスの良い食事、適度な運動、適切な投薬など、主治医の先生から普段言われていることができなくなってしまうかもしれません。防災の日をきっかけに、必要な物品、心構えなど災害に備えて頂ければ大変嬉しく思います。

参考資料

詳しく知りたい方はこちら

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